オリンピックと日本女子マラソン

ランニング

私がランニングを始めた時、女子マラソン界で大活躍していたのがQちゃんこと高橋尚子選手で初めて2000年のシドニーオリンピックで金メダルに輝きました。その4年後には、今後は野口みずき選手が金メダルということで、女子マラソン黄金期でした。ちょっと、そういうことで、オリンピックと日本女子マラソンを振り返ってみたいと思います。

2021年 東京オリンピック&パラリンピック

日本陸上界は、MGCという新しい透明性をもった選抜レースを企画し、国内ではそれなりに盛り上がり、特に男子では厚底の影響もあり、16年間破られなかった日本新記録が、ここ3年で3回も出ました(現在は、2時間5分56秒 鈴木健吾選手)。しかし、それでも世界記録は、2時間1分39秒です。非公式では2時間も切られています。鈴木選手の記録は、世界57位です。ということで、今回は、かなり厳しい戦いでしょう。女子の代表でもっともタイムのいい一山麻緒選手の記録は、世界46位です。

後は、開催国の有利さと暑い日本の夏に慣れている日本勢がタイム狙いではなく、勝負狙いでどこまでメダルに食い込めるかということに期待したいですね。

→さあ、今日(8月7日)は女子マラソンです。札幌も暑いので、予定より一時間早くスタートしました。一山麻緒選手が2時間30分13秒のタイムで日本選手でトップの8位に入賞、 鈴木亜由子選手 19位、 前田穂南選手は33位でした。女子マラソンで日本選手が入賞したのは2004年のアテネ大会以来4大会ぶりです。まあ、アテネは、野口みずき選手の金メダルですが。世界ランキングを考えると8位入賞はいい成績といえるでしょう。しかし、女子マラソン復活はまだ道は遠いようです。

→8月8日の男子マラソンですが、最後まで先頭集団にいた大迫選手ですが、30数㎞すぎで一旦離され、それから巻き返して、6位まで順位を上げ、そのままゴールで入賞です。これも世界ランキングを考慮すると立派な成績です。大迫選手はこれで引退するそうですが、今後は後輩に頑張ってもらいたいですね。

→9月5日のパラリンピックは、天候に恵まれました、涼しいです。男女とも上位に食い込んでいます。女子T12(視覚障害)では、道下美里選手(44)が3時間50秒で金メダルです。世界記録保持者でもあるそうです。藤井由美子選手(T12)は、なんと56歳で、3時間17分で5位です。そして、西島美保子選手(T12)は、66歳で、3時間29分で8位(9位中)です。私より年上で、私の自己ベストより25分も速い(彼女の自己ベストは3時間10分らしいですが)!男子は、堀越 信司選手(T12視覚障害)が銅メダル、永田 務選手(T46 切断・運動機能)も銅メダルです。日本勢凄い!。男子は、障がいがあっても、2時間20分台で走るんですね。 

2016年 リオ・オリンピック 2012年 ロンドン・オリンピック

2008年以後、日本女子マラソンは低迷期に入りました。世界的にも女子はぱっとしませんね。厚底シューズが出現して、長距離界は高速レースになってきたにも関わらず、ラドクリフ選手の世界記録が2019年にやっと更新ですから。高橋選手のオリンピック記録は、ロンドンでやっと塗り替えられました。

2008年 北京オリンピック

 北京の時は、詳しく当時のブログに書いてしました。いまだに破られていない世界記録保持者がラドクリフ選手です。たらればですが、野口選手が出場していたら、連続メダルは間違いなかったでしょう。土佐選手は、前年の世界陸上で3位でした。ここまでが、日本女子陸上黄金期ですかね。通算16年で4大会分という感じです。2008年10月、Qちゃんこと高橋尚子選手も引退しました。

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 さあ、日本期待の女子マラソンです。野口選手が体調不良で棄権なので、土佐選手がどこまでいくかです。中村選手は、今回が2回目のマラソンなので、今回は、厳しいでしょう。UKのラドクリフ選手、中国の周選手、ケニアのヌデレバ選手あたりですか、それに土佐選手がどうからんでくるかが大方の予想でした。
 今日の北京は、めずらしく曇りで涼しく、高速レースとなると思いきや、レースは、超スローペースで始まります。19kmからルーマニアのトメスク選手が飛び出します。有力視されていなかったので、だれもついていきません。そうこうするうちに、土佐選手が遅れだします。外反母趾を痛めていたらしく、鎮痛剤を飲んでのスタートだったようです。途中痛みに耐えかね棄権です。35kmあたりから、ラドクリフ選手、中村選手が遅れだします。ラドクリフ選手は、途中、ストレッチをするなど、棄権かと思いましたが、走りきりました。彼女も今年に疲労骨折してからの復帰だったそうです。
 トメスク選手は、ずっとTopのままで、いつ、ヌデレバ選手や周選手がスパートをかけるかと思いきや、そのままTopでゴールイン。ラストスパートをいつかけるのかと虎視眈々としていた、ヌデレバ選手は、最後の最後で、周選手を抜いて、銀メダルです。
 レースを一番、冷静に展開していたのは、ヌデレバ選手(36)でしたね。唯一、最初に仕掛けたトメスク選手が落ちてこなかったのが誤算だったようです。しかし、前回のオリンピックも銀メダルと大舞台の冷静さはさすがです。

 野口選手、土佐選手、ラドクリフ選手と一流の選手でも、オリンピックに向けて調整に失敗するのですね。マラソンの試合は、1年前から始まっていたようです。【2008年8月17日記】

2004年 アテネオリンピック

シドニーの4年後、今度は野口みずき選手というまた有望な選手が現れます。高橋尚子選手は、おしくも代表を逃します。私も非常に悔しく思います。今でも、彼女がアテネに出ていたら、日本人のワン。ツーフィニッシュが見れていたのではないかと思います。

野口選手は、跳ねるようなバネのある走り方で、ぶっちぎりの金メダルでした。

2000年 シドニーオリンピック

1990年から女子マラソンは黄金期と入っていきます。1992年のバルセロナ、1996年のアトランタで銀、銅を獲得した有森裕子選手を育てた小出監督の下、めきめきと実力をつけた高橋尚子選手がシドニーに参戦し、シモン選手と死闘を繰り広げて、オリンピック新記録での金メダルでした。

高橋選手は、女子陸上で初めての金メダル、翌年は、ベルリンで世界新記録もだし、国民栄誉賞を受賞されました。

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