健康診断は抜き打ち検査ではありません。学校の試験と一緒です。試験の場合は、ちゃんと学習をして、その結果をテストで測り、まだ理解していないところを更に学習して、またテストを受けてチェックしますよね。健康診断も同じです。よって、日々の健康のための注意や施策がなく健康診断うけるのはもったいないのです。
コロナ禍で、「基礎疾患がある人はコロナに感染すると重症化するリスクがある」と言われます。基礎疾患とは癌とか糖尿病とかです。基礎疾患に罹ったらしょうがないですが、それにならないように予防する事が重要だと思います。
痛みが出たりすれば、どこかおかしいと分かりますが、そういう時は既にそういう病気になっている可能性が高いので、その前に予防したいものです。症状がでないのに予防するには、定期的に健康診断を受ける必要があります。サラリーマンの方は、企業は従業員に健康診断を受診させる義務があるので、皆やっていると思いますが、自営業の方や、サラリーマンでもその配偶者の方の中には受けてない人もいると思います。よく芸能人がテレビ番組で人間ドックを受け、重大な疾病が見つかったとかありますが、毎年、健康診断受けないと大変なことになりますよね。
まだ若い頃は、「健康診断」って何かガンとか発見されるのではなかろうかと言う感じであまりいいイメージがありませんでした。要は、日ごろそれほど健康に気を使っていない時期に「診断」されるのは、そのための対策も何もやっていない「抜き打ち検査」のようなものでした。なので、「何かよからぬことを指摘されはしないか」などと心配していたわけです。
中高年になって、毎回受けて数値などが高く警告を受けても何もしないとそれは受けてないのと同じでこれも危険ですね。
人間ドック検診データの使い方
折角半日も費やして検査してもらったわけですが、その検査結果を皆さんどう活用しているでしょうか。r-GTPなど訳の分からない数字が多く、基本、基準値超えている項目以外はあまり気にしないと思います。そして、今までの検査結果はどこにしまってあるでしょうか、行方不明の方も多いのではと思います。
これではいかにももったいないと思います。
私がやっていることは、
1)アーカイブ化:私は個人的な写真やビデオなどは全てデジタル化してOne Driveにクラウド保存していて、基本的にアルバムなどは持っていません。同じように、健康診断結果など様々な書類も「健康診断」という名前のフォルダ―に過去の診断結果はスキャンしてPDF化して保存しています。紙は全て捨てます。私はこれらのことを「デジタル ライフ アーカイブ Digital Life Archiving」と呼んでいます。
2)EXCEL化:次に、様々数値をEXCELにインプットします。検査項目は大体30項目くらいなので、大した量ではありませんし、年に一度の作業です。また、基準値も入れておき、基準値超えたら赤字になるようにしておきます。基準値も毎回診断書に書いてあるのでチェックしたほうがいいです。数値が微妙に変わってくる検査項目もあります。
3)グラフ化:これが一番大事です。検査結果数値が基準値内でもそれが悪化しているのか改善しているのかでは、数値の意味が変わってくるからです。ある検査項目の数値が基準内だけと悪化している場合は注意しておかないと来年基準値外になる可能性が高くなります。まあ、これも2)でEXCEL化していれば、自動的にグラフになるように設定しておけばいいだけの話です。
こうすると、数値が毎年暴れたりはせず、だんだん悪化したり、改善したりするものなので、自分がどこが問題で、どのような状況(どのくらい悪化しているのか)かがよくわかります。
そして、その項目に絞って、摂生をして改善させていくアクションをとるわけですね。まあ、計画を練る前の、現状分析とそれの改善のための目標設定の段階です。
治らないものもある
私の場合、赤マーク(警告)がつくのは、下記の8つの項目です。その項目は2種類に分けられ、今より改善しないものと改善できる項目です。ちょうど半分づつです。
まず、治らないものは、
1)左耳の高音が聞こえないという症状です。これは、25歳の時に突発性難聴になってしまいました。まだ、この治癒法はみつかってないので、しょうがないとあきらめています。まあ、右耳でかなりカバーできるので生活に支障はありません。
2)心肥大です。心拍が少ないと言うやつです。これはランニングをやるので、心肥大していわゆるスポーツ心臓になっているという事です。42歳から指摘されています。ランニングをあまりやらない時期はそういう指摘がありませんでした。凄いですね、運動で内臓の状況がかわるのですね。よって、これはまあOKだと思います。2021年は、ランニングしているのにもかかわらず、心肥大ではなかったので、逆にちょっと練習量が足りていないのかなと思いました。
3)胃も42歳から警告を毎回受けています。慢性の萎縮性胃炎です。胃の粘膜に長期間にわたりピロリ菌により炎症が生じた結果、粘膜が萎縮して胃液の分泌が少なくなってしまう病気だそうです。また、もう一つの要因は加齢だそうです。別段何か症状があるわけでもありません。今からは良くならないので、これ以上悪くならないようにするしかないそうです。
4)胆石。57歳から胆嚢にポリープができていると言われ、61歳の時にそれが胆石になりました。どうもコルステロール性の胆石のようです。無症状なので経過観察で、痛み出したら胆嚢摘出だそうです(涙)。
改善できるもの
あとの四つは、改善できるものです。
1)脂肪肝:2019年の診断で指摘されました。これが原因でお酒をやめることにしました。昨年の診断では指摘されなかったので治ったと思います。
2)rGTP:これは飲酒による影響大ですね。これも禁酒で大幅改善です。これで、肝臓は遅まきながらかなり改善されている模様です。
3)コルステロール:若いころからずっと総コルステロールの数値が190~220mg/dlくらいなのです。一応基準値が200以下なので、ときどき基準値こえましたって警告が出ていました。そんなに体重が増えたわけでもなく、ちょっといつも疑問だったのですね。日本人間ドック学会が2014 年に発表した健康診断の新基準値(男性)は、254です。これだと問題ないのですが。
4)空腹時血糖値:この数値も若いころから95~105mg/dlです。基準値が99以下でしたから時々これも警告がでます。今の基準値は100~110までは、正常値(高値)といいのかどうかわからない新基準名称です。まあ、気をつけなさいということかと思います。ランナーでも糖病病の人もいますのできをつけなければと思っています。
追加検査項目
人間ドックは、オプションで気になるところは追加したほうがいいですね。
1)胃カメラ
昔、身近に胃がんに罹患した人がいたので、凄く胃がんのことを調べた時がありました。その時の結論は、バリウムで胃癌が見つかっても手遅れだということです。そうならないために、胃カメラがいいそうです。しかし、私はっきり言って胃カメラ苦手なのです。すぐ「おえっ」って反応してしまうのです。病院によっては麻酔してくれて寝ている間にやってくれる所もあります。これだと毎日でもいいなと思った時もありますね。しかし、麻酔はリスクがあるので、やってくれる病院は少ないです。なので、今は鼻からカメラを入れるやつにしています(それでも辛いが)。
2)ピロリ菌検査
ピロリ菌は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍および胃がんなどの原因になっているという事がわかっています。私が除菌したのは、2003年46歳の時でした。当時としては、まだ認知度が低かったですが、今はとても有名です。胃潰瘍で長年悩んでいた友人も除菌したら一発で治ったって言ってました。ピロリ菌除菌は尿検査で簡単にできるので陽性かどうかチェックしたほうがいいですね。
3)頸動脈検査
脳疾患の人も結構多いですよね。会社でもある日突然倒れてという人を目撃したこともあります。脳梗塞は、後遺症があったりと予後が悪い例が多いので気をつけたいものです。脳ドックがいいのでしょうが、費用が高いので、頸動脈検査での代用もありだと思います。ちなみに、脳ドックは数万円が相場でしたが、今は2万円をきるところもでてきたり、「ふるさと納税」の返礼品になったりもしています。
4)大腸検査
大腸検査は40歳頃から少なくとも50歳からは受けたほうがいいと言われています。私の大腸検査デビューは58歳でした(汗)。大腸検査の模様というと
「まず、下剤1リットルを1時間かけて飲みます。味はそんなにまずくもなく普通に飲めます。その後、催して来たらトイレに行くわけです。10分おきくらいで12回です。合計3時間くらいかけ、それから内視鏡検査になります。」
個人的には、胃カメラのように「おえっ」とはならないので、こっちのほうがマシです。時間はかかるけど。
5)骨密度検査
特に女性の方は、骨粗鬆症の検査は、簡単なのでお薦めします。
PDCAの回し方
さて、今度は、この検査で要注意の項目を確認し、そのために何をすればいいかを問診の時に先生にきいたり、調べたりします。だいたい、何を摂取したほうがいいとかいけないとか、運動をしたほうがいいとか対処法は明確にあります。
私の場合は、コルステロール対策としては、青魚(DHA)を摂ったり、コルステロールを下げる効果のあるブロッコリーを摂るとかです。この二つは毎日必ず摂ることにしています。糖尿対策は、やはりウエイトコントロールをすることに尽きると思いますね(お酒はやめたし)。
対策がわかりそれを実行すれば、当然改善されるので、どのくらい改善されたかを次回の健診でチェックするわけです。思ったように改善していなければ、もう少し改善策を強化する必要があります。
結果を早く知りたい場合、2~3か月おきに健康診断するわけもいかないと思うので、もっと安価でできる血液検査だけで様々な結果がわかるので、それでチェックする方法もあります。病院で血液検査をしてもらったり、今は検査キット送ってもらってやる方法とかもあるようです。無料で検査してもらいたい時は献血すれば結果は教えてもらえます。私も4か月おきにチェックしています。
こうすればPDCA(Plan Do Check Action)がはやく回せるという事です。
ビタミンは足りているか?
ビタミンも身体には必要と言われていますが、どれがどれだけ足りていないのかは健康診断ではわかりません。そういうのがわからないのにサプリを摂ったりしていませんか。これも今は尿検査だけでわかるようになりました。なるべく食事から栄養素は摂りたいものです。これも同じようにPDCAが回せると思います。
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