ランメトリックスで自分のランニングを科学的に分析!フォーム改善の秘訣 Runmetrix

ランニング

カシオとアシックスが共同開発したランメトリックス【Runmetrix】は、その小さなディバイスを腰につけるだけで22のデータが計測でき、フォームの分析ができる優れものです。プロの選手が特殊な器械で計測いていたデータ分析手法が一般ランナーも14,000円の器具で実現できるのでやらない手はないですよね。ということでその内容を紹介します。

プロダクト

ウオッチとセンサーで価格は、¥50,500です。amazonや楽天でも売っています。

モーションセンサーだけも販売されています(¥14,080)。リアルタイムで数値を確認する必要がないという人は、これだけでもいいかもしれないですね。Apple Watchを持っている人は、連携できます。また、スマホ経由で、ラップごとの走行データを音声で通知してくれます。

私は、2022年8月の誕生日にカミさんからプレゼントされました(嬉)。

センサーだけでデータは保存され、あとでスマホで確認できます。計測を始める時にボタンを一回押し、LEDが「点滅」したら計測を始めます。走行後、ボタンをダブルクリックして「点滅」が「点灯」に変わったらデータが転送されます。その後、ボタンを長押しして電源を切ります(LEDが赤色に2秒点灯した場合は、電池残量が少ないという合図です)。

アプリ

データ分析

緑の数字が6分/kmの目安で()の数字が2024年8月の私の数値です。

骨盤を軸とした全身の運動 身体の各部位をバランス良くつかうために、腕振りと骨盤の回転のタイミングをあわせ、膝の屈伸に頼らず、蹴り出した脚が後ろに流れないこと。

1.腰の沈み込み[%]3.5(3.1) 接地後に膝が曲がって腰の位置が下がる動き。身長を100%とした比率で表し、数値が大きいほど深く沈み込んでいる。それぞれのペースの目安値において小さくなるほど「骨盤を軸とした全身の連動」のスコアが高くなる。

2.骨盤回転タイミング 16(49) 接地の瞬間と、骨盤を回転させるタイミングのギャップ。ゼロは接地と骨盤を回転させるタイミングが一致している。マイナスに大きいほど、接地より早く骨盤を回し始めて足を身体の真下に引き付けるような動きが強調された走り、プラスに大きいほど、接地後に骨盤を大きく回してスイング脚側を前に振り出すような動きになっている。走行ペースによらず、値が大きくなるほど「骨盤を軸とした全身の連動」のスコアが高くなる。

3.蹴りだし時間[ms] 131(175) 接地後に身体が沈み込んでから足が離れるまでの時間。数値が大きいほど、1歩ごとのキックに時間がかかった走りになっている。それぞれのペースの目安値において小さくなるほど「骨盤を軸とした全身の連動」のスコアが高くなる。

動きの力強さ ストライドを伸ばして力強い走りをするために、体幹の自然な前傾を保ち、接地中に骨盤を大きく回すこと。

1.ストライド身長比[-] 0.63(0.5) ストライドを身長比で示した数値。ストライドは脚長の影響を大きく受けるためしばしば身長比が用いられる。それぞれのペースの目安値において大きくなるほど「動きの力強さ」のスコアが高くなる。

2.骨盤の引き上げ[° ]5.3 (4.5)接地から蹴り出しにかけて、スイング脚側に下がった骨盤を引き戻す動き。マイナスの数値は、スイング脚側の骨盤が低い位置のまま蹴り出しており、プラスに大きいほど、スイング脚側の骨盤を高く引き上げた状態で蹴り出しができている。

3.骨盤の回転[° ]18.6(8.2) 骨盤をローテーションさせる動き。数値が大きいほど、骨盤を大きく回した力強い走りになっている。それぞれのペースの目安値において大きくなるほど「動きの力強さ」のスコアが高くなる。

スムーズな重心移動  効率よく前へ進むために、左右への体のブレや接地直後のブレーキを小さくする。

1.左右方向衝撃[m/s2]35.1(26.3) 身体の左右方向にかかる衝撃の大きさ。一般的に、数値が大きいほど、左右方向の不安定性が大きい走りになっている。

2.減速量[m/s]0.46 (0.42) 接地後のブレーキの大きさ。一般的に、数値が大きいほど、1歩ごとのブレーキが大きい走りになっている。

左右対称性 左右で均整のとれた走りをするために、ピッチやストライド、上下動、体幹の姿勢など走りに関する動きの特徴について、左右差が少ないこと。

1.ピッチ[steps/min] 167(170) 1分間あたりの歩数。同じペースで数値が大きいほど、小刻みなリズムで走っている。それぞれのペースにおいて値が大きいほど、平均よりも小刻みなリズムの走りになっている。フォームスコアに関係なく、各ラップにおける走りがピッチよりかストライドよりかがレーダーチャート下部のバーで示される。

2.ストライド[m] 接地から次の接地までの1歩で進む距離。数値が大きいほど、1歩あたりの進む距離が大きい。

3.上下動[cm]走行中の身体の上下方向の動き。数値が大きいほど、大きく沈み・跳ねるような走りになっている。

安定した姿勢 筋や関節などへの負担を抑えるために、体幹の自然な前傾を維持し接地中の左右への骨盤の落ち込みを小さくすること。

1.体幹の後傾[° ] 1.4 (1.4) 接地中に骨盤や体幹がのけぞるような動き。数値が大きいほど、体感の姿勢が不安定になっている。走行ペースによらず、数値が小さくなるほど「安定した姿勢」のスコアが高くなる。

2.骨盤の左右傾き[° ]5.2(2.6) 接地している脚と反対側の骨盤が傾いて下がる動き。数値が大きいほど、接地中の骨盤が不安定な姿勢になっている。それぞれのペースの目安値において小さくなるほど「安定した姿勢」のスコアが高くなる。

負担の少ない接地 接地の衝撃による負担を抑えるために、走行中の上下動や、腰にかかる力を小さく保つこと。

1.上下動身長比[%] 5.2 (4.2) 上下動を身長比で示した数値。それぞれのペースの目安値において小さくなるほど「負担の少ない接地」のスコアが高くなる。

2.着地衝撃[m/s2]21.1 (24.2) 接地の直後に身体にかかる衝撃の大きさ。一般的に、数値が大きいほど脚への負担が大きくなる。それぞれのペースの目安値において小さくなるほど「負担の少ない接地」のスコアが高くなる。

3.蹴りだし加速度[m/s2]43.8(35.5) 地面を蹴り出す加速度の大きさ。一般的に、数値が大きいほど、強い力で地面をキックしている。それぞれのペースの目安値において小さくなるほど「負担の少ない接地」のスコアが高くなる。

その他の指標

1.ペース ラップタイムをもとに算出した、1km走るためにかかる時間。ラップの距離を1kmで計測した場合、「タイム」とほぼ同等になる。

2.タイム ラップの距離を通過するために要した時間。

3.走行タイム 「タイム」のうち、歩行や一時停止を除外し、走行を行ったと判断された時間。

4.接地時間[ms](279) 接地してから蹴り出して足が地面から離れるまでの時間。一般的に、ペースが速くなるほど短くなる。

5.接地時間率[%](79)接地時間を、1周期(接地から次の接地までの時間)における割合で示した数値。

6.スティフネス[kN/m・kg](0.36)脚全体を「バネ」と見立てた時のバネの硬さ。一般的に、数値が大きいほど、接地後の沈み込みが小さく、短い接地時間で地面を蹴り出す「硬いバネ」のような走りになっている。ペースによらず、左右差が小さいほど「左右対称性」のスコアが高くなり、左右で値が大きい方の脚が「主導」側に寄る。

2024年8月の私のデータ分析

私の2024年8月のデータですが、下にあるように「よくあるパターン1」だそうです。

「動きの力強さ」が弱いのと、少し「骨盤を軸とした全身の運動」が足らないということでしょうか。

スコアは70~75点くらいなので、「フルマラソンを何度も完走し、記録に挑戦できるランナーの方は70点台を超える場合が多いです。(ゆっくりとしたJOGの場合は走り方が変わりスコアが下がることもあります)高いレベルになると、意識だけでなく動きの特徴に合わせたからだ作りが必要になってきます。」だそうで、80点以上でアスリートレベルだそうです。

まず6角形のそれぞれの点数が低いところに注目します。「動きの力強さ」はスピードを追求する走りを目指している場合に重要です。

ここで一番低いのが、骨盤の回転[° ]ですね。目安が18.6に対し私は8.2です。

次は、「骨盤を軸とした全身の連動」です。

ここで悪いのは、蹴りだし時間[ms]です。 131(175)

フォーム解析

.Runmetrixの優れたところは、自分のフォームを可視化してくれるところとそれを理想形と比較してくれるところです。赤が理想で自分は青です。

フォームとしては、膝から下で走っているので、地面を蹴る意識を少なくし、骨盤から脚を動かす意識を持つこと。

そうすることで、現在よりも下半身の大きな筋肉を使った効率の良いフォームになる。また着地位置が遠い傾向が見られるので、振り出した脚を、自然と引き戻すタイミングで接地するイメージを描くことです。

これは、ASICSのランニングラボで指摘されたことでもあります。

このフォームを身に付ければ、数値も目安近くになるでしょう。

トレーニングの方法

最近、新たに導入された「トレッドミルモード」がパワフルです。

トレッドミル(ランニングマシン)を用いたフォーム分析に対応。スポーツジムなど室内でのランニングや、ランニング指標をリアルタイムで確認しながらのアクティビティ計測が可能になりました。

これでいろんな走り方をして、数値の変化を確認できるので、いいフォームのコツがつかめます。そしてそれをロードで実践してみるということですね。

また、ASICSさん、最近攻めてきますね。このモーションセンサーを使って、フルマラソンなどのレースの分析してくれるサービスを2022年10月より始めました。 「ASICS RACE REPORT」5,500円です。

また、この2024年8月から、ASICS presents Running Academy 2024というプログラムをはじめてくれたので、それに参加すると分析などもやってくれます。私も参加しています。

ASICS presents Running Academy 2024:暑い夏のRunmetrixを使ったランニングトレーニングプログラム
夏は暑くて練習量は減ってしまいます。夕方に屋外で走ったり工夫はしますがやはり暑いです。そういう時には、冷房の効いた部屋でのトレッドミルでの練習がいいのでしょうが、景色が変わらないと面白くなく30分くらいしか続きませんね。 ということで、AS...

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